ラーメンの歴史年表を通して知る日本のラーメン文化の進化

ラーメンの歴史は日本の食文化に深く根ざしており、その発展は多くの人々に愛されてきました。

本記事では「ラーメンの歴史年表」を通して、ラーメンがどのようにして現在の形に進化してきたのかをわかりやすくご紹介します。

ラーメンを1番最初に食べた人は誰か、ラーメンを最初に作った国はどこなのかといった疑問を解説し、また1970年のラーメンの値段の変遷についても触れています。

当ページのリンクには広告が含まれています

ラーメンの歴史年表と日本での進化

年代 事項 詳細
17世紀末〜19世紀 ラーメンの原型が中国から伝来 中国から「南京そば」などの麺料理が日本に伝わり、港町(横浜や長崎など)で提供されるようになる。
1900年頃 屋台でのラーメン提供開始 横浜の中華街でラーメンの屋台が営業を開始。徐々に日本人にもラーメンが浸透していく。
1910年 日本初のラーメン専門店「来々軒」開業 東京・浅草に「来々軒」が開業。醤油味のスープに中華麺を合わせた「支那そば」として人気を博す。
1945年〜1950年代 戦後のラーメンブーム 第二次世界大戦後の食糧不足を背景に、小麦粉を使った麺料理が普及。屋台で手軽に食べられるラーメンが大衆化。
1958年 インスタントラーメンの誕生 日清食品の安藤百福氏が世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を発売。家庭で手軽に食べられるラーメンが広まる。
1968年 ラーメン二郎の開業と二郎系の誕生 東京・三田に「ラーメン二郎」が開業。極太麺、大量の野菜、濃厚な醤油豚骨スープが特徴の「二郎系ラーメン」の原点。
1970年代 ご当地ラーメンの誕生と普及 各地で地域に根付いた「札幌ラーメン」「喜多方ラーメン」「博多ラーメン」などが誕生。地域特有の味が全国的に知られるように。
1974年 家系ラーメンの誕生 横浜市に「吉村家」が開業し、濃厚な豚骨醤油スープと太麺を使用した「家系ラーメン」が誕生。徐々に「〇〇家」と名乗るラーメン店が増加。
1980年代 インスタントラーメンの多様化 カップ麺やさまざまなフレーバーのインスタントラーメンが登場し、ラーメン文化がさらに家庭に浸透。
2000年代 ラーメンのグルメ化と専門店の増加 専門のガイドブックやランキングが登場し、ラーメンが「グルメ」として認識されるようになる。高品質な食材や独自のレシピにこだわる店舗が増加。
2010年代 淡麗系ラーメンの人気 あっさりした透き通ったスープが特徴の「淡麗系ラーメン」が登場し、上品な味わいで支持を集める。
2010年代 煮干しラーメンの流行 煮干しを大量に使った魚介系ラーメンが人気となり、特に関東地方で多くの煮干しラーメン店が登場。
2010年代後半 健康志向ラーメンの登場 ビーガンラーメン、グルテンフリーラーメン、低糖質ラーメンなど、健康を意識したラーメンが登場し、幅広い層に人気となる。
2010年代後半 創作ラーメンと進化系ラーメンの登場 フレンチやイタリアンの技法を取り入れたラーメンが登場し、ラーメンの新しい味や食体験が提供されるようになる。
2020年代 SNS映えを意識した
ラーメンの登場
カラフルなスープやユニークなトッピングで視覚的にも楽しめるラーメンが登場し、SNSを通じて話題になる。
2020年代 ラーメンの海外進出 日本のラーメンチェーンがアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど海外に進出し、日本のラーメン文化が国際的に広がる。
2020年代 AI・ロボットによるラーメン製造 AIを活用したレシピ開発やロボットによる自動調理が導入され、効率化や新しい味の追求が進む。

日本と中国どちらが発祥ですか?

ラーメンのルーツは中国の麺料理にあります。

中国では古くから様々な種類の麺料理が発展しており、特に「拉麺(ラーメン)」と呼ばれる手で引っ張りながら作る麺が存在していました。

このように、ラーメンの麺自体は中国から始まりました

一方で、日本においては、19世紀後半から20世紀初頭にかけて中国から伝わった麺料理が日本の食文化と融合し、独自の進化を遂げた結果、現在のラーメンが誕生しました。

1910年に東京・浅草で開店した「来々軒」が、日本初のラーメン店として有名であり、これが日本でのラーメン文化の大きな始まりとされています

このように、日本と中国の双方にそれぞれラーメンの発展に関わる歴史があるため、発祥については「中国から伝わったものが、日本で独自の発展を遂げた」と理解するのが最も適切です。

このため、ラーメンの発祥は「中国に起源があり、日本で進化したもの」と考えるのが良いでしょう。

中国で始まった麺料理が、日本で独自のスタイルに変わり、現在のように多様な味とスタイルを持つラーメンとなりました。

1番最初に食べた人は誰ですか?

ラーメンを日本で最初に食べたとされているのは、水戸黄門として知られる徳川光圀です

従来の説では、江戸時代の1697年、光圀公が中国から来た儒学者・朱舜水を招いた際に、自らの接待の一環として、中国風の麺料理を振る舞われたことが記録されています。

この出来事が、日本におけるラーメン(中華麺)を初めて食べた記録とされています。

ただし、最新の研究によれば、さらに古く、南北朝時代(1300年代)に、後醍醐天皇の皇子であるとされる禅僧が「経帯麺(けいたいめん)」と呼ばれる中国の麺を食していたことが記されています

この経帯麺は、現代の中華麺とほぼ同じレシピで作られたと考えられており、これが日本におけるラーメンの最初の事例とも言えます。

いずれにしても、ラーメンが日本に広く普及するきっかけとなったのは19世紀末から20世紀初頭のことで、特に関東大震災後の屋台の普及によって、ラーメンが全国に広まりました。

ラーメンを最初に食べた人については、水戸光圀とする説が一般的ですが、それ以前にも食された記録が存在するため、時代と文献によって解釈が異なる場合があることを理解しておくと良いでしょう。

1970年のラーメンの値段の変遷

1970年当時、日本におけるラーメンの価格は1杯およそ100円でした

この時期は、日本経済が高度経済成長期の真っただ中であり、多くの人々が外食を楽しむようになりました。

ラーメンは手軽で安価な食事として人気があり、多くの人々に親しまれていました。

その後、1970年代を通して物価の上昇とともにラーメンの価格も上がり、1975年には1杯200円程度となっています。

この価格の上昇は、原材料費の高騰や人件費の上昇が主な要因でした。

また、この時期にはラーメン専門店やチェーン店が増え、ラーメンの提供スタイルも多様化していきました。

1970年代のラーメンの値段は、100円から200円程度へと上昇しましたが、それでも多くの人々にとってラーメンは手軽で魅力的な食事であり続けました。

高度経済成長期における日本の変化に伴い、ラーメンの価格もまた時代の流れに応じて変遷していったのです。

  • 日本と中国どちらが発祥ですか?
  • 1番最初に食べた人は誰ですか?
  • 1970年のラーメンの値段の変遷

 

ラーメンの誕生と歴史

ラーメン二郎を創業したのは誰ですか?

ラーメン二郎を創業したのは、山田拓美氏です

山田氏は1968年、東京都港区の三田でラーメン二郎をオープンしました。

ラーメン二郎は、ボリュームのある盛り付けと特徴的な味付けで多くのファンを魅了し、現在では「二郎系ラーメン」という一大ジャンルを築くまでに至りました。

ラーメン二郎の特徴は、極厚のチャーシュー、たっぷりの野菜、にんにくの効いたスープなどにあります。

その独特のスタイルが若者を中心に支持を集め、「ジロリアン」と呼ばれる熱狂的なファンを生み出しました。

また、ラーメン二郎の店舗数は次第に増え、各地に暖簾分けされた店舗が展開されるなど、日本全国に影響を与えています。

 

家系ラーメンを考案した人は誰ですか?

家系ラーメンを考案したのは、吉村実氏です

吉村氏は1974年に神奈川県横浜市の新杉田に「吉村家」をオープンしました。

これが現在の「家系ラーメン」の原点であり、その後の家系ラーメンブームの礎となったのです。

家系ラーメンの特徴は、とんこつ醤油ベースの濃厚なスープと太いストレート麺にあります。

さらに、ほうれん草や海苔、チャーシューといった具材がトッピングされ、ボリューム感があるのが特徴です。

吉村実氏は、このスタイルをもとに、ラーメンに対する新しい価値観を提案し、多くの人々に愛される味を生み出しました。

吉村家の成功を皮切りに、「家系」を名乗るラーメン店が次々と登場し、全国的に広がりました。

吉村氏の独創的なアイデアに基づいた家系ラーメンは、多くのラーメンファンにとって特別な存在となり、その系譜は「家系」として確固たるジャンルを築いています。

 

とんこつラーメンを考えた人は誰ですか?

とんこつラーメンを考案したのは、宮本時男氏です

宮本氏は1937年に福岡県久留米市で「南京千両」という屋台を開業しました。

当初は透明な豚骨スープ、いわゆる「清湯(ちんたん)スープ」を提供していましたが、あるとき豚骨を強火で長時間煮込み続けたことで、現在のような白濁した濃厚な豚骨スープが誕生しました。

このスープがとんこつラーメンの原点となったのです。

とんこつラーメンの特徴は、白濁した濃厚なスープにあり、このスープは豚骨を長時間煮込むことで生まれる独特の旨味を持っています。

また、低加水率の細いストレート麺が用いられ、スープとの絡みがよいことも特徴の一つです。

宮本氏の試行錯誤から生まれたこのとんこつスープは、九州地方を中心に広がり、やがて日本全国へと知名度を拡大していきました。

久留米で誕生したとんこつラーメンは、その後博多や熊本などにも派生し、各地域で独自の進化を遂げています。

味噌ラーメンを作った人は誰ですか?

味噌ラーメンを最初に作ったのは、大宮守人氏です

1955年、札幌市内にある「味の三平」の店主であった大宮氏が、ラーメンに味噌を使ったスープを取り入れたのが味噌ラーメンの始まりです。

彼は、寒冷な気候の北海道で、体を温めるための栄養価の高いラーメンを提供したいと考え、味噌をベースにしたスープを開発しました。

味噌ラーメンの特徴は、濃厚でコクのあるスープにあります。

このスープは味噌をベースにし、豚骨や鶏ガラ、野菜などを煮込んで作られています。

中太の縮れ麺が用いられ、スープとの絡みがよく、具材にはもやしやコーン、バターなどが用いられることが多いです。

大宮氏のアイデアは、北海道の寒さにぴったり合い、瞬く間に人気となり、札幌ラーメンとして全国に広がりました。

日本で初めてカップラーメンを作った人は誰ですか?

日本で初めてカップラーメンを作ったのは、日清食品の創業者である安藤百福氏です

彼は、1958年に世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を発明した後、さらに手軽に食べられるラーメンを提供したいと考えました。

そして、1971年に「カップヌードル」を開発し、世界初のカップラーメンとして発売しました。

カップラーメンの特徴は、湯を注ぐだけで簡単に食べられる手軽さにあります。

安藤氏は、カップの形状や容器の素材、スープの濃度などを試行錯誤し、最終的に現在の形を完成させました。

このカップヌードルの登場は、ラーメン業界に革命をもたらし、忙しい人々やアウトドア、災害時など、さまざまなシーンで手軽に食べられる食品として定着しました。

なぜカップラーメンは3分なのかについてこちらの記事で解説しています。

  • ラーメン二郎を創業したのは誰ですか?
  • 家系ラーメンを考案した人は誰ですか?
  • とんこつラーメンを考えた人は誰ですか?
  • 味噌ラーメンを作った人は誰ですか?
  • 日本で初めてカップラーメンを作った人は誰ですか?

 

ラーメンの歴史と年表のまとめ

  • 17世紀末に中国からラーメンの原型が伝来
  • 1910年に日本初のラーメン専門店「来々軒」が開業
  • 戦後の食糧不足でラーメンが広く普及
  • 1958年に初のインスタントラーメン「チキンラーメン」が誕生
  • 1968年に「ラーメン二郎」が開業し、二郎系が誕生
  • 1974年に家系ラーメンの元祖「吉村家」が開業
  • 1980年代にインスタントラーメンの多様化が進む
  • 2020年代にラーメンが海外にも広く進出

マジで乳酸菌がいい仕事してくれるのよ!

-ラーメン